02-09-3;閉塞性肺疾患 喘息
慢性咳
- 咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群(後鼻漏)が3大原因。百日咳も注意。胃食道逆流症GERD。慢性気管支炎(タバコなど)、心因性習慣性、気管気管支の腫瘍結核
咳喘息とアトピー咳嗽
- 咳喘息は、中枢気道から末梢気道までの好酸球性気道炎症があり、気道壁深層の気管支平滑筋収縮がトリガーとなって咳嗽が発生する。他方、アトピー咳嗽は、中枢気道に限局した好酸球性気道炎症があり、気道壁表層に存在する咳受容体の感受性が亢進して咳嗽が発生する。
- 咳喘息では30%の患者が数年のうちに喘息を発症するが、長期吸入ステロイド療法はこの喘息発症を5%に低下させる。アトピー咳嗽ではこのようなことは見られない。
- 2つの疾患ともに吸入ステロイドは有効である。咳喘息では長期管理が必要。アトピー咳嗽では不要。(1)
- アトピー咳嗽では、のどの掻痒感を伴う乾性咳嗽を唯一の症状とする。喘息以外のアトピー疾患の既往や合併を高頻度に認める。
- アトピー咳嗽では、気管支拡張薬は無効で、ヒスタミンH1受容体拮抗薬が約60%で有効である。
GERDに伴う咳嗽
- 長期間継続していることが多く、平均持続期間は13〜58ヶ月。欧米の報告によれば胸やけの症状がない咳嗽のみは50〜77%。GERは垂直に立った状態で生じやすく、夜間は咳嗽が少なく日中に増悪することが追い。喉頭症状(発声困難、嗄声、咽頭痛)が伴いやすい
心因性咳嗽
- 咳嗽の音が大きい割に重症感が乏しい。睡眠中は咳嗽が消失する。マイナートランキライザーの投与が有効。
喘息
アスピリン喘息
運動誘発喘息
- 運動終了後の数分後から一過性の気管支収縮を来し、60分以内に自然に回復。
- ほとんどの小児喘息患者と、半数以上の成人喘息患者に起こる。
- 水泳では起こりにくく、短距離や中距離走で起こりやすい。
- β刺激薬やインタール吸入を運動前にすると有効。マスクをするのも有効(吸入気の湿度が低く乾燥しているほど起こりやすいと)。
- 気管支粘膜の浸透圧が乾燥や冷却刺激で上昇し、マスト細胞からのメディエーターの産生放出が亢進する。運動後気道温度が再度上昇し、それが刺激となる。
月経喘息
- 月経前や月経中に悪化する喘息。重症度が高い傾向。
- 身体の中の水分が増えるため、ループ利尿薬で予防できるとの報告がある。
治療
新薬
- 年間 抗IgE抗体;54~432万円 抗IL-5抗体;210万円 抗IL-5受容体抗体;245万円 気管支サーモプラスティ;130万円+入院費(2019)
COPD
- 喫煙が発症原因の90%以上。喫煙経験のある40歳以上の8人に1人がCOPDの可能性がある。